ただいま配信中!~年上幼馴染は人気Vtober~
 それでもバレるはずはない。

 だって、そもそもIZUがこの学校に通っている志摩 出雲だというのは秘密なのだから。

 多分、出雲くんの親友とかしか知らないことだと思う。

 さらに出雲くんは、私の家に引っ越して同居しているということも、よそには言っていない。

 そもそも私に釘をさしてきたのだから。

「親戚の家に住ませてもらってるって言ってるから。お前、バラすなよ」

 そんなふうに。

 私はちゃんと守って、出雲くんが家に一緒に暮らしていることは誰にも話していない。

「おーい、ホームルームはじめるぞ!」

 私がそわそわしつつ聞き耳を立てているうちに、チャイムがいつのまにか鳴っていたようだ。先生が入ってくる。

 いけない、席につかないと。

 私はあわてて席に向かってバッグを置いた。

 すぐにホームルームがはじまって、今度ある予定の合唱コンクールの予定なんてなんでもない話題になった。

 ああ、合唱コンクール。

 曲決めがあるけど、また私は伴奏だろうな。

 そっちの練習もしないといけなくなるよね。

 そんなふうに思考は移っていって、一日の学校は穏やかにはじまった。
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