ただいま配信中!~年上幼馴染は人気Vtober~
「お茶、淹れるね。紅茶でいいかな?」

 私はそう言って、出雲くんは私のほうを見て、やはり笑った。

「おう、さんきゅ。頼む」

 それで熱い紅茶を淹れてきて、私もソファに座った。

 出雲くんの隣に座ることにはちょっとどきどきしてしまった。

 でも目の前のおいしそうなお菓子に気持ちが向いていて、あまり気にならない。

「どれにする?」

 紅茶をひとくち飲んでから、出雲くんは私のほうに缶を差し出してきた。

 確かに何種類か入っている。

「え、出雲くんが取りなよ。出雲くんがもらったんでしょ」

 だけど、もらったのは出雲くんなのだ。はじめに取るべきなのでは。

 よって遠慮することを言ったのだけど、出雲くんはちょっと顔をしかめた。

「いいだろ。甘いもんはお前のほうが好きなんだし」

 何故かその顔は気恥ずかしそうに見えた。

 私はその表情にちょっとどきっとしてしまいつつ、知る。

 私がお菓子を好きだからだ。

 だから先にと言ってくれたんだ。

 ……気づかってくれたんだ。

 知って胸があたたかくなった。とても嬉しい。
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