ただいま配信中!~年上幼馴染は人気Vtober~
「取らないなら俺が決める。これだろ」
私が嬉しくなっていつつも、まだ手が伸びないのにじれたのか、出雲くんはひとつを取って差し出してきた。
私はそれを見て、目を丸くした。
だってそれはピンク色のドーナツに、白い猫が入っているものだったのだから。
「え、なんで?」
びっくりした。まさかこの中で、一番食べたかったものを差し出してもらえるなんて。
「なんでって……お前、いちご味が好きじゃん」
なのに出雲くんは、しれっとそう言う。
まるで『私のことはなんでも知ってるから』と言いたげな口調。
私の胸が、かっと熱くなった。
いちご味が好きなんて子どもの頃の話なのに、覚えていてくれたんだ。
それにもうひとつ。
「それからその猫。みゃうちゃんに似てるなって思った」
白い猫。
昔、私の家では猫を飼っていた。
私が生まれる前から飼っていたというその子は、みゃうちゃんという名前で、このドーナツに入っているのと同じ、真っ白な毛並みをしていた。
もう数年前に死んでしまったけれど。
出雲くんはそれも覚えていてくれたんだ。
もっと胸が熱くなる。
「……うん。ありがとう」
いい意味で胸と頬がほてりながら、やっと手を伸ばして受け取った。
いちご味のお菓子。
とてもおいしそうである以上に、あったかいものがたくさん感じられた。
私が嬉しくなっていつつも、まだ手が伸びないのにじれたのか、出雲くんはひとつを取って差し出してきた。
私はそれを見て、目を丸くした。
だってそれはピンク色のドーナツに、白い猫が入っているものだったのだから。
「え、なんで?」
びっくりした。まさかこの中で、一番食べたかったものを差し出してもらえるなんて。
「なんでって……お前、いちご味が好きじゃん」
なのに出雲くんは、しれっとそう言う。
まるで『私のことはなんでも知ってるから』と言いたげな口調。
私の胸が、かっと熱くなった。
いちご味が好きなんて子どもの頃の話なのに、覚えていてくれたんだ。
それにもうひとつ。
「それからその猫。みゃうちゃんに似てるなって思った」
白い猫。
昔、私の家では猫を飼っていた。
私が生まれる前から飼っていたというその子は、みゃうちゃんという名前で、このドーナツに入っているのと同じ、真っ白な毛並みをしていた。
もう数年前に死んでしまったけれど。
出雲くんはそれも覚えていてくれたんだ。
もっと胸が熱くなる。
「……うん。ありがとう」
いい意味で胸と頬がほてりながら、やっと手を伸ばして受け取った。
いちご味のお菓子。
とてもおいしそうである以上に、あったかいものがたくさん感じられた。