ただいま配信中!~年上幼馴染は人気Vtober~
 呆然としてしまったけれど、出雲くんはなんでもないという様子。

「ん、いちご味もうまい」

 そう言われて私はようやく、今の出来事がなんだったのか理解した。

 急速に恥ずかしくなる。

 口元についてしまったのを取られてしまった。

 おまけにそのまま食べられてしまった。

 さらに感想まで……。

 かぁっと顔が熱くなる。

「ちょ、え!? い、言ってくれたら自分で取ったよ!」

 なんとか言った。

 そんな、口につけていたのも、子どもにするように取られたのも恥ずかしい。

 まくしてたてたのに出雲くんは『よくわからない』なんて顔をする。

「は? こっちのが早かったんだからいいだろ」

 そういう問題じゃないんだけど!?

 私は胸の中で突っ込んでしまったけれど、口には出なかった。

 そして出雲くんは本当になんでもない様子で、自分のチョコレート味をぱくりと食べた。もぐもぐと口が動く。

「うん、うまい。濃厚だ」

 え、えー……。

 あまりに普通に言うので私は混乱した。

 別に妙なことではなかったんだろうか?

 私が意識しすぎだったんだろうか?

 ……いや、そんなわけないよね!?

 今度は心の中、自分相手に全力で突っ込んでしまった私だった。
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