ただいま配信中!~年上幼馴染は人気Vtober~
 でも、なんか嬉しいな。

 階段をのぼりながら私は思った。

 だって出雲くんとは幼馴染で、一緒に暮らしている家族というだけではなく、付き合うことになったのだ。

 もう彼女なのだ。

 あの雷の夜はもう十日くらい前のこと。

 それ以来、まだ慣れないけれど、恋人同士としても一緒に過ごしている。

 その中でこうしてお届け物をするのは特別に感じてしまったのだ。

 ちょっと彼女っぽいかも。

 ヒミツだとしても、彼女っぽいことができるのは嬉しいな。

 私は心地良く騒ぐ胸を抱えながら、三年生の階へ入って出雲くんのクラスへ向かった。

 だがそんな心地いい胸の騒ぎは、そこまでだった。
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