私を見て、私を愛して
「出ようか。」

そう言って洋樹は伝票を持って立ち上がった。

食堂は長居する雰囲気ではないからだろう。

ゆか子は洋樹に従い、店を後にした。

ゆか子が助手席に乗り込むと、運転席に座った洋樹が車のエンジンをかける。

車は緩やかに走り出した。

意味もなく窓の外の流れる景色を見ていると、今朝の出来事が蘇ってきた。

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