私を見て、私を愛して
ビールを飲み、気持ちが落ち着くと京香が口を開いた。

「ゆか子、最近どう?いい感じの人いない?」

「いないよ。そんな人いないことは京香が一番よく知ってるでしょ。」

いつもの調子で問う京香に、ゆか子もいつもの調子で返す。

「ふふ、知ってるけど一応確認ね。」

京香は悪びれた様子もなく、楽しそうに笑った。

「それに前に付き合ってた人が同じ会社の人だったから、もう同じ会社の人は無理かなって……」

ゆか子は2ヶ月前まで付き合っていた男を思い出して、気持ちが沈んでしまった。

「あぁ、あの最低男ね……」

京香もゆか子の元カレを思い出したらしく、顔を歪めた。

「元カレと付き合ってたときのゆか子、苦労してたからね。あんなやつとは別れて正解よ。」

「確かにちょっと苦労はしたけど、どうしてあの人のこと嫌ってたの?」

ゆか子はいまさらながら気になって尋ねた。京香に紹介したとき、元カレは愛想良くしていたはずだが、京香はかなり元カレのことを嫌っていた。

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