私を見て、私を愛して
ゆか子は自分が見たことを全て話した。
「あぁ、会社の後輩ですよ。その日は会社の同僚が新居を構えたので、お邪魔することになっていたんです。それで新居にお邪魔する前に、手土産を一緒に買いに行ったところをゆか子さんが見たんだと思います。」
洋樹の言葉を聞いても、ゆか子は信じられなかった。
今まで男運が悪かった弊害だろう。
洋樹は、いまだに険しい顔をしているゆか子を見つめる。
「信じてもらえないようなら、今、同僚に電話しますけど。」
洋樹は特に面倒がった様子もなく、さらっと言ったが、かえってゆか子は恐縮してしまう。
「そんな、やめてください。大丈夫です。信じます。」
洋樹はホッとしたように息を吐き出した。
「良かった。じゃあ結婚してください。」
満面の笑みを浮かべ、言われた言葉にゆか子は驚き、固まった。
(やっぱりこの人、変だよ。なんでそうなるの。)
「ごめんなさい。結婚はできません。」
「……そうですか。」
洋樹はしょんぼりしている。
存在しないはずのしっぽが下がっているのが見えた。
「あぁ、会社の後輩ですよ。その日は会社の同僚が新居を構えたので、お邪魔することになっていたんです。それで新居にお邪魔する前に、手土産を一緒に買いに行ったところをゆか子さんが見たんだと思います。」
洋樹の言葉を聞いても、ゆか子は信じられなかった。
今まで男運が悪かった弊害だろう。
洋樹は、いまだに険しい顔をしているゆか子を見つめる。
「信じてもらえないようなら、今、同僚に電話しますけど。」
洋樹は特に面倒がった様子もなく、さらっと言ったが、かえってゆか子は恐縮してしまう。
「そんな、やめてください。大丈夫です。信じます。」
洋樹はホッとしたように息を吐き出した。
「良かった。じゃあ結婚してください。」
満面の笑みを浮かべ、言われた言葉にゆか子は驚き、固まった。
(やっぱりこの人、変だよ。なんでそうなるの。)
「ごめんなさい。結婚はできません。」
「……そうですか。」
洋樹はしょんぼりしている。
存在しないはずのしっぽが下がっているのが見えた。