私を見て、私を愛して
戦いごっこをするならば、友也が満足するようなやられ方をしなければならない。

戦隊モノのような原作に戦闘シーンがあるものであれば、それを再現するように戦えば良いのだろうが、『イータの大冒険』にはそれが存在しない。

友也の思う通りに動くのはとても難しい。

「ママちがう!」

友也が思っていた展開ではなかったらしく、怒られてしまった。

友也はサメのぬいぐるみを持つゆか子の手を掴み、自分で動かし始めた。

次第にゆか子の手からぬいぐるみを奪い取り、ひとりで遊びだした。

右手にタイ、左手にサメを持った状態でしばらく遊んでいたが、ひとりで遊ぶのに飽きてしまい、再びゆか子にサメのぬいぐるみを渡した。

「ママがするの?」

友也に尋ねると、こくりと頷いた。

えいっ!、やあ!、と友也は叫びながら、サメに攻撃を与える。

「とりゃー!」

友也の掛け声とともに繰り出されるタイの攻撃を避けずに、サメで攻撃を受ける。

ゆか子は、うわぁ!、という声をあげて、サメをパタリと倒した。


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