私を見て、私を愛して
「なんで!いや!!」

やられるにはまだ早かったらしく、友也が癇癪を起こしてしまった。

ゆか子は友也にぬいぐるみを奪われた。

友也はぬいぐるみをポイッと遠くに投げた。

ゆか子は友也に投げられたぬいぐるみを取りに行こうと、立ち上がった。

すると横にいた友也もタイのぬいぐるみを置いて立ち上がった。

戦いごっこに飽きてしまったようだ。

ゆか子はサメのぬいぐるみを拾い上げ、タイのぬいぐるみと一緒にカゴに仕舞った。

友也はどうしているだろうかと、友也の方を見た。

「ともくん危ないよ。振り回したら当たっちゃう。」

友也は子ども用の短い剣を手に持ち、振り回していた。

子ども用に角が丸くなっているとはいえ、振り回すと危険だ。

「んーん。」

ゆか子が注意しても聞こえていないような返事をして、友也は振り回すのをやめない。

「こら。これでもうできないよ。」

友也が怪我をするかもしれないと思ったゆか子は、振り回すのをやめさせるために剣ごと友也を抱きしめた。

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