私を見て、私を愛して
「そうなの。高いのよ。でも日頃のご褒美に買いたいの!いいかな?」

ゆか子は驚く洋樹の顔を下からじっと見つめて、言った。

「ふーん、俺だったらこれ買わずに外食するなあ。チョコを買うヤツの気持ちがわかんないけど、ママが買いたいなら買ったらいいんじゃない?」

洋樹の温度を感じない言葉と態度がチクリと胸に刺さった。

ぶっきらぼうに言われてしまい、気持ちが沈んでしまう。

(そんな言い方しなくてもいいじゃない。いつも一言余計なのよ、そんな言い方されたら買いずらいじゃない。前はこんなこと言う人じゃなかったのに……)


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