私を見て、私を愛して
友也を部屋に寝かせて、そっと頭をひと撫でしてからリビングに戻った。

「ふぅ。」

現在時刻は19時30分。

洋樹は19時頃に帰ると言っていたため、少しだけ遅れているようだが、そろそろ帰ってくる時間だろう。

ゆか子はキッチンに立ち、スープを温め直す。

洋樹は給料日に用意された料理を見て、何と言うだろうか。

きっと驚くに違いない。

もしかすると、今日が給料日だとわかっていない可能性はあるが、今日が給料日だとわかれば、照れたように笑って、喜んでくれるはずだ。

(うふふ。楽しみだな。)

今日は金曜日だ。

明日は休日のため、多少お酒を飲んでも問題はない。

ゆか子自身は出産以来、飲酒をしていないため今日もお酒を飲むつもりはないが、洋樹はきっと飲むだろう。

そのためのお酒も用意してある。

ゆか子はソワソワして落ち着かなかった。

普段通りなら、この時間はお風呂に入りたくないと全力でごねる友也をあの手この手で宥めてお風呂に入れているころだ。

しかし今日は遊び疲れた友也が早々に眠ってしまった。
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