私を見て、私を愛して
京香の言葉にしゅんとしてしまう。

救いを求めるように京香を見る。

「じゃあ私はどうしたらいいの?」

「そこまで動きにくい服じゃなくて、おしゃれな部屋着とかにすればいいでしょ。」

「おしゃれな部屋着?」

ゆか子は首を捻る。

「そう。おしゃれな部屋着よ。」

「おしゃれな部屋着ってあれ?モコモコしてるやつ?」

(あの意識高い系女子が男を家に誘うときに、こぞって購入しているあれ?)

「それでもいいし、それじゃなくてもいいわ。」

「ああ言うのって高いでしょ?部屋着にお金使うの勿体無いって思っちゃうね。」

おしゃれな部屋着が欲しいと思ったことは何度もあるが、ゆか子は毎回その値段を見て断念してしまう。

「別に高いところのじゃなくてもいいのよ。量販店の安いやつでいい。量販店は進化してるから、かわいい系も綺麗系もセクシー系もいっぱいあるわ。」

部屋着をスウェットで固定していたゆか子は、量販店でスウェット以外の部屋着を探した経験がほとんどなかった。
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