私を見て、私を愛して
「安くていいの。どうせ男には値段なんてわからないんだから。」

京香の言葉はなかなか辛辣だ。

だがその言葉に何度も救われた経験のあるゆか子は納得した。

(確かに値段ってわからないよね。私だって高そうだと思ったものが、実はお値打ちだっなんてこともたくさんあった!)

「ありがとう京香!京香に言ってよかった!」

ゆか子は満面の笑みで京香に笑った。

「はいはい、ゆか子は本当に素直だよね。でも、まだよ!」

頭にハテナが浮かぶ。

(まだってなんだろう。)

「もう一つの作戦のことよ。」

「料理のことかぁ。」

ゆか子は先日の残業のことを思い出して、再び気持ちが沈んだ。

「そんな顔しないの。」

京香にたしなめられてしまった。

「そんな顔ってどんな顔?」

「私は不満です!って不貞腐れた顔。」

「だって……」

ゆか子はついつい言い訳したくなってしまう。
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