私を見て、私を愛して
「ゆか子だってわかってるんでしょ。残業はしょうがないことだって。ただその日は連絡が遅かったし、そういえば最近連絡遅いなって気づいちゃったから、余計に気持ちの整理がつかなくなった、違う?」

「……おっしゃる通りです。」

自分のことを改めて言葉にされると、自分が器の小さい人間のように思えてしまった。

「じゃあ洋樹さんはゆか子がお給料日のお祝いをしようとしてたこと知らないの?」

京香がふと思い出したように聞いた。

「ううん、知ってる、というか言ったんだけど……」

ゆか子はそのときのことを思い出した。
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