私を見て、私を愛して
「……いいよ。ママをまもってあげる。」

作戦成功だ。

ゆか子は顔を綻ばせ、心の中でガッツポーズをした。

友也はゆか子の手をぎゅっと握った。

それを見た洋樹が友也の前にしゃがみ込んだ。

「とも、パパもつないでよ。」

「パパはだめ。」

「なんで?」

「パパだめなの!」

どういうわけかわからないが、友也は洋樹と手をつなぐのを拒否している。

パパは守る対象ではないのかもしれない。

洋樹は説得の方法を変えた。

「じゃあ、パパはママと手をつなごうかな。」

「だめ。」

「だってパパも迷子になるかもしれないよ。だからママと手をつながないと。」

「だめ」

洋樹がゆか子に向かって手を伸ばした。
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