月下の恋人…missing



その日一番の作り笑顔を浮かべて、急いでリビングに戻った。





『どうした?大丈夫?』




「何でもないよ。はい、新聞」



『ありがと。さっ、食べて食べて』





光彦ママの世間話を聞きながら、せっかくの美味しいご飯も、ぜんぜん味も解らなくて



黙々と食べ終えて、自分の部屋へ向かった。





――――ガタンッ…



机の椅子を引いて力なく座って、ボーッと窓の外を眺めると



夕闇の中、いつの間にか降り出した雨に気づく。





カサッ…………




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