月下の恋人…missing
ハァ――――…
光にぃは全てお見通しなんだね。
力が抜けて、一粒の涙が伝う。
『バ――カ』
大きな手の平に頬を包まれる。
光にぃの笑顔は涙でぼやけていたけど
やっぱり何処までも優しくて
子供じみた強がりは、あっという間に崩れていく。
『ずっと一緒だろ』
「光にぃ…ごめんね」
言い終わらないうちに唇を塞がれた。
それは、今までで一番甘いキスで
切なさや、好きな気持や、何もかもが溢れだして止まらなかった。
―――――――
―――――――…
゛まゆ――!光彦君――!゛
遠くからママの声が聞こえる。