月下の恋人…missing
膨れっ面で答えながら



「理想のデート?えっと遊園地に行って…二人で御飯食べて!

あっ旅行とか行きたいなぁ」




『へぇ……』




「でもいつも一緒に居るだけで幸せかもっ!」




ニコッと無邪気に笑うまゆに俺は言葉を失った。



普通のデート―――



当たり前の事を一緒にしてあげる事が出来ない。



まゆの小さな夢を叶えてあげる事が俺には出来ない。




その時から、約束のその日まで゛光にぃ゛のままでいようと心に誓って



自分の気持を封印した。



あの日のちっぽけな約束だけを信じて―――




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