月下の恋人…missing



着けっぱなしの灯かり


散らかったテーブル



携帯を握りしめたまま



諦めかに俺の帰りを待っていたんだと言う光景に、胸が締め付けられる。




『ごめんな…』




そっと柔らかい髪に手を伸ばした時―――




「行かないで…光にぃ…」




突然名前を呼ばれて驚きで手が止まる。




『……まゆ?』




゛コイツまた寝たふりかぁ?゛


そう思って除き込むと相変わらずまゆはスヤスヤと寝息を立てていた。




「行かないで…光にぃ」




えっ―――…



うなされたようにか細い声で呟くまゆの瞳から



キラリと一粒の涙が溢れた。




もしかして―――…




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