月下の恋人…missing
クスッと笑いながら髪をくしゃくしゃっと撫でられて
「………本物」
『本物ですけど何か?』
やっとの事リアルだと気付く。
「お…おはようございます…」
光にぃは二人分のコーヒーを持って向かいのソファーに腰を降ろした。
―――コトッ…
『はい、ど―ぞ』
「ありがと…」
恥ずかしさにうつ向いてボーッとした頭を整理する。
昨日はあのまま寝ちゃったんだ…
いつの間に帰って来た?
変な寝言とか言ってないよね…
チラッと盗み見たつもりがばっちり目が合って
(ハァ――…朝から気まずいんですけど……)
顔が火照るのを感じてキョロキョロと視線を泳がせた。