春は全て知っている
はじまりの春
ほんの少し、あと数cm。
花岡麦(はなおかむぎ)は窓の反射で映る自分を見つめながら背伸びをした。
電車は人がいっぱいで座れない。
ただ立ち尽くすだけでは高校までの道のりの時間を潰せなかった。
昔からじっとしていることが苦手で常にそわそわしていた。
同じ制服を着ている人たちに話しかける勇気もなく自分を見つめることしかできなかった。
麦の身長は159cm。160cmの大台に乗ることができなかった。
見た目はさほどわからないが気持ち的に159cmと160cmは全く異なるものであった。
ため息をつきながら背伸びしては戻しの繰り返し。
ふと席が空いていることに気づいた。
花岡麦(はなおかむぎ)は窓の反射で映る自分を見つめながら背伸びをした。
電車は人がいっぱいで座れない。
ただ立ち尽くすだけでは高校までの道のりの時間を潰せなかった。
昔からじっとしていることが苦手で常にそわそわしていた。
同じ制服を着ている人たちに話しかける勇気もなく自分を見つめることしかできなかった。
麦の身長は159cm。160cmの大台に乗ることができなかった。
見た目はさほどわからないが気持ち的に159cmと160cmは全く異なるものであった。
ため息をつきながら背伸びしては戻しの繰り返し。
ふと席が空いていることに気づいた。
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