◇貴方は俺だけの【極上】シュガー◇
こんな店があるならもっと早く知りたかった!

「いらっしゃいませ。」

顔を上げると、昨日公園であった子が立っていた。

「昨日はお弁当ありがとうございました。」

「いえ、こちらこそご来店いただいてありがとうございます。お弁当気に入っていただけましたか?」

「ええ、美味しかったのでこうしてまんまとカフェに来てしまいました。」

俺が笑うと、彼もつられて笑った。

「…勇気を出して声を掛けて良かったです。」

そうだよな、こうしてまた一人お客を獲得出来たんだから。

「どうぞゆっくりしていって下さい。」

彼はペコリと頭を下げて厨房の方へ消えて行った。

わざわざ挨拶に来てくれるなんて、やっぱり良い子だな。




***************




お弁当も美味しかったが、今日食べたビーフシチューも美味しかった。
一流レストランにひけをとらないくらいだと思うし、ブレンドコーヒーも俺好みで気に入った。

また来よう。

ずっと探していた理想のカフェを堪能し、俺は今にもスキップしてしまいそうな高揚した気分だった。

その気分で伝票を会計に持っていくと、あの子が対応してくれた。


< 10 / 19 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop