この政略結婚に、甘い蜜を〜溶けるような夜を共に〜
「今日ね、ピアノの先生に褒めてもらったの。だからさっきまで練習してたんだ」

「そうなの。それはよかったね。あとで、お母さんにも聞かせてほしいな」

楽しそうに話す萌花の頭を華恋は撫でる。萌花は満面の笑みを浮かべ、「いいよ!お母さんがびっくりするくらい上手だからね」と言う。そこへ、ハーブティーとクッキーを手にした零がキッチンから顔を出した。

「みんなでティータイムしない?このクッキーおいしいんだって」

「食べる!」

萌花が真っ先に椅子に座り、目を輝かせる。それに華恋と零は目を細めながら、二人もそれぞれ椅子に座る。(華恋が座る時は、零が支えてくれた)

クッキーとハーブティー(萌花は牛乳)を楽しみながら、萌花が保育園であったことなどを話し、それに華恋たちは相槌を打って話をする。そして、話がひと段落したところで華恋はお腹に触れながら言った。

「そういえば、この子の性別が今日わかったんですよ」

「どっち?」
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