この政略結婚に、甘い蜜を〜溶けるような夜を共に〜
零の横顔を見つめながら、華恋はふと思った。



その後も、ブラブラと二人はお店を見て周り、少し疲れたため休憩することにした。ソフトクリームのお店を見つけ、並ぶ。

「雪塩ソフトクリームって初めて聞きます」

「好きな塩をアイスにかけて食べるみたいだね」

店内には、雪塩やハイビスカス塩、抹茶塩などたくさんの種類の塩の小瓶が並んでおり、ソフトクリームを買ったお客さんは好きな味の塩をかけている。

「ハイビスカスってどんな味なのか気になりますね……」

「僕も聞いたことないなぁ」

今日は気温が高いせいか、ソフトクリームのお店には列ができている。華恋と零は楽しく話しながら並んでいたのだが、零のスマホが途中で鳴り始めた。

「ごめん!母さんからかかってきちゃった。ちょっと出てくるね」

「わかりました」

零は列を離れ、華恋はその後ろ姿を見送りながら、どんな味の塩をかけてみようかと考える。その時、後ろに並んでいた人に肩を叩かれる。
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