君との恋を忘れたわけじゃないから。

こんなことになるなら早く別れて前を向いた方がお互いいいのに、その話に切り出せないのは………なんでだろ………。



「じゃ、またな。気をつけて」


「うん。バイバイ」



駅について彼女とバイバイする。なんだか可哀想な気もするが、これでいい。


きっと、向こうも一緒にいたくはないはず。


なんで、こんなことになったのだろう。


好きで、一緒にになったのに。隣にいるほど、苦しくなるのは………。


電車に揺られながら、頭の中で終わりの見えない考えをひたすら考えていた。



＊＊＊


数日後の放課後。


俺は彼女との約束を守るため、待ち合わせ場所にいた。正直、今会いたくない。ここ数日、会わないように、彼女を避けていたほどなのに。



「………なぁ、今日少し時間あるか？」



彼女と並んで歩く帰り道。


俺は、決心して口を開いた。その途端、ぱあっと明るくなる彼女の表情。