君との恋を忘れたわけじゃないから。

それを見て、これから別れ話をしようとしていたのに、ズキズキと胸が痛くなる。


………くそ、なんだ、この胸の痛みは。


もう決心したじゃねぇか。


なのに、今更………。



「うん!時間ならあるよ!どっかよってく?」



顔をあげて俺を見た瞬間、少し表情が暗くなった。あれ………。どうしたんだ?
もしかして、俺の考えていることがわかったのか?


不思議に思いながらも、店では話しづらいので近くの公園によっていくことを提案した。


自分から別れ話をしようと思ってたのに。


離れた方がお互いのためだと思ったのに………。



「………ん。悪いな、こんなとこに付き合わせて」



公園につき、ベンチに座ると彼女の好きなココアを差し出す。


これで、何となくわかっただろうか。


これから何を話すのかを。



「ううん、ありがとう。大丈夫だよ。私も………話をしたかったし」
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