へっぽこ召喚士は、もふもふ達に好かれやすい 〜失敗したら、冷酷騎士団長様を召喚しちゃいました〜
リヒトは躊躇うことなくその扉を開けると、部屋の中には大きな円卓に座る五人の部隊長と、その後ろに控えるようにして立つ五人の召喚士達がミア達を待っていた。
「ようやく団長のお出ましか」
「道草して来たわけではなさそうだな?」
「まあこれで出席者は揃いましたから、良しとしましょう」
「――すまない。遅くなってしまったようだな」
ミアと同じような制服に袖を通し部隊長の証であるバッチを着けた彼らは、リヒトが入ってくるや否やどこか呆れたような声で投げかけてくる。
彼らの声を全て無視して、席に着いたリヒトは短く息を吐いては、短い言葉で彼らを黙らせる。
他の召喚士の真似をするように、席に着いたリヒトの隣に立ち、周囲をチラチラと見渡した。
あの人って世界で初めて、同時に五体も召喚獣を召喚したクリヒルトンさん?!それにあっちにいるのは、魔獣医の資格も持つセパーレさんだ……見渡す限りの有名召喚士……何ここ!
簡潔に集まっている人を話されたとは言え、名の知れた有名な召喚士の姿を目にしてミアは緊張感が高ぶる。教科書や、新聞にまで取り上げられている天才達と同じ空間にいることが信じらなかった。
しかし、隣に座るリヒトが会議を始めた途端、現実に引き戻される。