へっぽこ召喚士は、もふもふ達に好かれやすい 〜失敗したら、冷酷騎士団長様を召喚しちゃいました〜

14*へっぽこ召喚士の胸のざわめき






 時折見かけるリヒトとエルザの二人の姿を見ても、何も揺らぐことがなくなったミアは、額に汗を滲ませながら集中力を途切らせることなく、己の召喚術に向き合っていた。

 残された時間を無駄にはしたくないと、ただひたすらに術を発動させ、召喚した魔獣はペガサスを含め三匹目に達していた。

 召喚成功の第二匹目は雷を身に纏う(ライラプス)を、三匹目は大人になれば戦力となるであろう大熊《グリズリー》の子供を召喚した。

 訓練中の魔獣から感じる魔力の流れを、完璧に感覚として掴めたのだ。

 だから言って召喚する際の共鳴が上手くいくとは限らない。突っぱねられる事の方が多いミアだったが、それでもめげずに練習を続けた。

 エルザに言われた、魔獣に向き合っていないという言葉を拭い去る勢いで、召喚した魔獣達に誠心誠意向き合って魔力の共鳴を求める。



「よしっ!これで四匹目……!」



 光輝く魔法陣の上に立つヒポグリフに笑顔を向けると、応えるように頭を垂らす。








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