へっぽこ召喚士は、もふもふ達に好かれやすい 〜失敗したら、冷酷騎士団長様を召喚しちゃいました〜
「ミーアー!!」
「シュエルくんっ!皆……!」
飛行部隊が隊列を組みながら崖に沿うように降下してきて、戦うリヒト達の加勢をするべく弓を構えた。
サンダーバードが雷を落とし、バハムートの注意をこちらに向けさせる。
グリフォンが一つ鳴くと、それを合図に一斉に矢を放った。
『グァアアアアアアッ!!』
見事バハムートに突き刺さり、怯んだ一瞬を見逃さないリヒト達は、剣を、牙を光らせる。
切り込んでくる彼らに、為す術なくバハムートは攻撃を受けて喚くしかない。
加勢されたことにより、戦いやすくなった彼らはより一層動きを速めた。
次々と加勢として加わる第四部隊の騎士と魔獣達が、やって来ては己の命をかけてリヒトを援護する。
「お前ら!他の魔物が残っていたら承知しないぞ!!」
「そんなの、他の部隊が何とかしてくれますよ!」
「そうそう!俺達は団長の剣であり、盾なんですから!」
普段ならリヒトの怒りに怯むはずの騎士達は、これが第四部隊の戦い方だと有無を言わせない動きで、次々と攻撃を繰り出していく。
僅かに傷を負っていていても、それを感じさせない動きは圧巻だった。
魔獣達もミアにこっちは任せろと、得意げな表情で戦っている。向こうもミアの無事な姿を見て、安心して心置き無く戦えているようだ。
「みんな……!」
相棒と息を合わせて戦う姿は、神獣に劣らない強さを持っている。
だが、どれだけバハムートに傷を負わせたとしても、全てを封じることは出来ない。神獣の力なく、それは出来ないのだ。