へっぽこ召喚士は、もふもふ達に好かれやすい 〜失敗したら、冷酷騎士団長様を召喚しちゃいました〜
輝く真っ白な毛並みは、神獣を思わせた。
『オレ達が神獣の末裔である以上、受け継いだ力がある』
「きゅー!」
「ふぎゅっ!」
いつの間にか魔獣達がミアの元へと集まり、その身に光を纏っていた。燃ゆる炎のように揺らめいては、白竜に向かって光を放つ。
温かくて優しい光は、この子達の想い。みんな、想うことは一緒なのね。
誇り高き神獣の末裔だと、威を張るわけでもなく、同じような悲しみを抱く仲間を救いたいという彼らの気持ちがひしひしと伝わってくる。
白銀の大きな翼を広げ、集まった力を前に白竜はミアを見つめた。
「素晴らしい仲間だ」
「私の大切な家族だもの。それじゃあ白竜、この物語を変えよう」
誇らしげに笑って見せると、白竜は集まった光の力を使って大きく羽ばたいた。巨大な一本の槍のように変化した光は、バハムートの闇目掛けて矛先を向ける。
人間の邪悪な感情や、怨念が光の槍に抗おうとバハムートの前に結界を張り巡らせた。
『我ガ復讐ハ、マダ終ワッテイナイッ!邪魔ヲスルナアァア!!』
再び闇に取り込まれたバハムートが、操られるようにして我が身を守ろうと最後の力を振り絞った。