へっぽこ召喚士は、もふもふ達に好かれやすい 〜失敗したら、冷酷騎士団長様を召喚しちゃいました〜
矛と盾のせめぎ合いが続く中、地中から現れた蔦がバハムートの足元に絡みつくと、闇の力を増幅させていく。
「させるかっ!」
異変に気づいたリヒト達が後ろに回り、地中で蠢く蔦を切り刻んでは力の増大を阻む。
暴れ狂うバハムートは、ありったけの力を込めて、槍を跳ね返そうと吠えた。
力の大きさに白竜が一瞬険しい表情を浮かべ、矛先の照準が若干ずれていく。
最後の力が足りない……神様、どうかお願い!私に力を貸して!
白竜に力を込めるように祈ると、胸元が熱く輝くのが分かる。その熱を確かめるように制服の内側から、それを取り出した。
初めて野生のコカトリスと出会い、お守り代わりに持ち歩いていた一枚の赤い羽根。
その羽根が、何かを喚び起こした。
「クォォオオオオッ」
透き通る鳴き声は、空耳などではなかった。