へっぽこ召喚士は、もふもふ達に好かれやすい 〜失敗したら、冷酷騎士団長様を召喚しちゃいました〜



 変な所で胸を張っている自分に照れ臭くなっていると、顎をくいと持ち上げられる。



「今現在、俺の役に立っているだろ」


「え?」



 考える暇を与えることも無く、唐突に唇を塞がれ一気に体温が上がる。

 抱き寄せられる力は徐々に強くなり、ミアを求める力も強くなるのが分かる。

 このままではいけないと、僅かに与えられた唇の自由に、すかさず言葉を吐き出した。




「今日の仕事が終わるまで、私に触るの禁止!これは命令です!」


「くっ……!!!!」



 出された命令に逆らうことが出来ないリヒトは、分かりやすく尻尾を下げて机に向かう。




「……まったく、団長ったら」




 しゅんとした姿さえも愛おしいと思ってしまうのは、リヒトに獣耳と尻尾があって魔獣と照らし合わせてしまうからなのだろうか。それとも、好きな人相手に求められたことが嬉しいからか。





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