へっぽこ召喚士は、もふもふ達に好かれやすい 〜失敗したら、冷酷騎士団長様を召喚しちゃいました〜




「昨日は色々大変だったみたいだけど大丈夫?」


「あ、はい。大丈夫です」



 リヒトに怒られたこと以外は一応丸く収まったと自分に言い聞かせながらも、ユネスが連れる魔獣を見つめた。



「あの、その子は?」


「他の部隊で生まれたクーシーという妖精犬だよ。そこの部隊の召喚士が、病気で寝込んでいてね。まだ相棒を見つけていないから、数週間うちの部隊で預かって、訓練させているんだ」


「へえ〜!可愛いですね!」


「まだ子供だからこの大きさだけど、成長したら牛ぐらい立派な大きさになるよ」


「へえ〜!それはそれで、たまらなくモフモフしそうですね!」



 瞳を輝かせるミアに、ユネスはくつくつと喉を鳴らしながら笑う。



「本当、ミアちゃんって魔獣が好きだね」


「そりゃあ、モフモフ達の魅力は凄まじいですから!」


「……リヒトが気に入るのも、何となく分かる気がするよ」


「え?」



 小さく呟いたユネスの言葉は、檻の中の魔獣達の甘える鳴き声によってかき消された。








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