君と、共に。(仮)
「ほんとうに凄かった! 私、初対面の人とあんな堂々と話せないもんっ」
 沙弥と私は家が近くて、この高校で出会って仲良くなってから、ほとんど一緒に帰っていた。
「いやいや、そんなことないよ……。優香だって、困ってる人見つけたら、真っ先に話しかけるでしょ?」
 それは、確かに、そうだけどさ……。
「そっ、それでもっ、私は沙弥のこと大好きだし、ちょー尊敬してるっ!」
 そう言うと、沙弥は、「うん、ありがとう」と笑ってくれた。

 私たちはしばらく歩いて、別れ道にさしかかる。
「あ、じゃあここで。またね」
「うんっ。またね!」
 沙弥とばいばいをして、私は私の帰路につく。
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