貧乏大家族の私が御曹司と偽装結婚⁈
それからしばらくは、とにかくこれでもか!と言うくらいに遊んだし、兄弟たちも友だちも時間を見つけては遊んでくれた。
初日の星の付くレストランでのディナーに始まり、テーマパークへ行ったり、カフェでまったりお茶したり。
働きだしたら、もう来ないかも知れない自由な時間を、私はとにかく満喫したのだった。
そして、やってきたこの日。
「与織ちゃーん!用意できた?」
部屋の扉から顔を覗かせたみー君にそう声をかけられ振り返る。
「うん。できたよ?どうかな?」
そう言って私は、黒のリクルートスーツを着た姿を見せた。
「……。むちゃくちゃ無難……だね」
唖然とした顔でそう言うみー君に、「だって入社式だよ?」と私は答えた。
4月1日。今日私はとうとう社会人デビューを果たす。と言っても今日は金曜日で、一日行けばまた休みなんだけど。
「まあ……いいか。あんまり悪目立ちするのも良くないしね。来週からは服装自由だし、コーデさせて?」
そう言うみー君は、濃紺の柔らかそうなジャケットの下は薄手のニット。そしてベージュのチノパン。社会人はみんなスーツを着て仕事に行くものだと思ってた私から見たら、かなりラフな格好に見える。
「にしても、与織ちゃんの職場が同じビルで良かった。これから毎日一緒に通勤しようね?」
みー君はそう言ってにっこり笑った。
初日の星の付くレストランでのディナーに始まり、テーマパークへ行ったり、カフェでまったりお茶したり。
働きだしたら、もう来ないかも知れない自由な時間を、私はとにかく満喫したのだった。
そして、やってきたこの日。
「与織ちゃーん!用意できた?」
部屋の扉から顔を覗かせたみー君にそう声をかけられ振り返る。
「うん。できたよ?どうかな?」
そう言って私は、黒のリクルートスーツを着た姿を見せた。
「……。むちゃくちゃ無難……だね」
唖然とした顔でそう言うみー君に、「だって入社式だよ?」と私は答えた。
4月1日。今日私はとうとう社会人デビューを果たす。と言っても今日は金曜日で、一日行けばまた休みなんだけど。
「まあ……いいか。あんまり悪目立ちするのも良くないしね。来週からは服装自由だし、コーデさせて?」
そう言うみー君は、濃紺の柔らかそうなジャケットの下は薄手のニット。そしてベージュのチノパン。社会人はみんなスーツを着て仕事に行くものだと思ってた私から見たら、かなりラフな格好に見える。
「にしても、与織ちゃんの職場が同じビルで良かった。これから毎日一緒に通勤しようね?」
みー君はそう言ってにっこり笑った。