貧乏大家族の私が御曹司と偽装結婚⁈
4・5. とある男の独り言
彼女を連れてきた実家の、母の書斎。予想はしていたが、俺の存在など見えないかのように2人は話しに花を咲かせていた。
本当に楽しそうだな……
俺はコーヒーカップ片手に、素知らぬ顔で2人の様子を盗み見ていた。
「……にしても、やっぱり何も聞いてなかったのね? あれだけちゃんと伝えておきなさいと言っておいたのに」
母は呆れながら、小言のように俺に向かってそう言う。
仕方ないだろう。母を知っているか? なんて、いったいどう切り出せばいいのか、わからなかったんだ
そう思いながら「すみません」とだけ俺は返した。
「だ、大丈夫です! 驚きはしましたけど」
俺に助け舟を出すように、彼女はそう手を振りながら言った。
「本当に口数が少ないにも程があるわよねぇ。与織子ちゃん、大丈夫? お仕事中困っていない?」
母は彼女に「朝木さんなんて他人行儀だから、与織子ちゃんと呼んでいいかしら?」と早い段階で言い、すっかりそう呼んでいる。
ついでに『私のことはお義母さんと呼んで』なんて言い出すんじゃないかとヒヤヒヤしたが、そこは堪えたようだ。
本当に楽しそうだな……
俺はコーヒーカップ片手に、素知らぬ顔で2人の様子を盗み見ていた。
「……にしても、やっぱり何も聞いてなかったのね? あれだけちゃんと伝えておきなさいと言っておいたのに」
母は呆れながら、小言のように俺に向かってそう言う。
仕方ないだろう。母を知っているか? なんて、いったいどう切り出せばいいのか、わからなかったんだ
そう思いながら「すみません」とだけ俺は返した。
「だ、大丈夫です! 驚きはしましたけど」
俺に助け舟を出すように、彼女はそう手を振りながら言った。
「本当に口数が少ないにも程があるわよねぇ。与織子ちゃん、大丈夫? お仕事中困っていない?」
母は彼女に「朝木さんなんて他人行儀だから、与織子ちゃんと呼んでいいかしら?」と早い段階で言い、すっかりそう呼んでいる。
ついでに『私のことはお義母さんと呼んで』なんて言い出すんじゃないかとヒヤヒヤしたが、そこは堪えたようだ。