貧乏大家族の私が御曹司と偽装結婚⁈
うちの兄弟は結構みんな喋るほうだから、その時は「そうなんだ」くらいにしか思ってなかった。でも今となっては愚痴をいいたくなる気持ちもよくわかる。
そんなことを思いながら、いい香りのする紅茶のカップを口元に運ぶと、部屋の戸がノックされた。
「失礼します」
入ったきたのはさっき出迎えてくれた仁美さんだ。
「奥様……」
仁美さんは教授のそばに行くと、私達に聞こえないよう小さな声で耳打ちしている。それを聞いた教授は、顔を上げると主任を見た。
「創一さん。私の代わりにお客様のお相手をしてくれるかしら」
それに主任は、面倒くさそうに眉を顰め立ち上がった。
「わかりました」
素っ気なく言い、主任は仁美さんと共に部屋をあとにした。ドアがパタンと閉まり、また向き合った教授は、何故か一層ニコニコしていた。
「ところで、創一さんはどう? ちゃんと婚約者らしくしている?」
あれ……? 偽物なんじゃ? と思ったけど、そうか、偽物だとバレないようにそれらしく見せているかってことか
「はい。色々と連れて行ってくださいます。主任にはきっとつまらないだろう植物園にも付き合ってくれて」
「そう! 良かったわ! これからも遠慮なく連れまわして頂戴ね?」
教授は嬉しそうにそう言ったあと続けた。
そんなことを思いながら、いい香りのする紅茶のカップを口元に運ぶと、部屋の戸がノックされた。
「失礼します」
入ったきたのはさっき出迎えてくれた仁美さんだ。
「奥様……」
仁美さんは教授のそばに行くと、私達に聞こえないよう小さな声で耳打ちしている。それを聞いた教授は、顔を上げると主任を見た。
「創一さん。私の代わりにお客様のお相手をしてくれるかしら」
それに主任は、面倒くさそうに眉を顰め立ち上がった。
「わかりました」
素っ気なく言い、主任は仁美さんと共に部屋をあとにした。ドアがパタンと閉まり、また向き合った教授は、何故か一層ニコニコしていた。
「ところで、創一さんはどう? ちゃんと婚約者らしくしている?」
あれ……? 偽物なんじゃ? と思ったけど、そうか、偽物だとバレないようにそれらしく見せているかってことか
「はい。色々と連れて行ってくださいます。主任にはきっとつまらないだろう植物園にも付き合ってくれて」
「そう! 良かったわ! これからも遠慮なく連れまわして頂戴ね?」
教授は嬉しそうにそう言ったあと続けた。