貧乏大家族の私が御曹司と偽装結婚⁈
しばらくして、私はお手洗いに向かった。書斎を出て少し進んだ先だ。中は個人宅とは思えない、どこかのレストランみたいな化粧室になっていた。
そう言えば主任、遅いな……
私達がしばらくおしゃべりしていた間も帰って来ていない。何かあったのかなぁ? とぼんやり考えながらスマホの画面を見ると、ここに来てからもう1時間以上経っていた。
そろそろお暇したほうがいいかも、と思いながら扉に手をかけそっと開けると、その隙間から見える先に人影が見えた。
「突然ごめんね。創がいると思ってなかったけど」
そんな会話が聞こえてきて、私は扉をそれ以上開けられず立ち止まる。
「なんだ、知らずにきたのか」
そう答えたのは主任で、その主任に話しかけているのは女性だ。
私はダメだと思いながらも、つい気になりその隙間から廊下をそっと覗き見た。
見えたのは主任の背中と、主任に向き合う背の高い綺麗な人。どこかで……と思う間もなく思い出した。
バレーの! 枚田澪さん!
思わず声を出しそうになり、自分の口を自分で塞ぐ。
「で、いいでしょ? 今日」
「……わかったよ」
前にいっちゃんと行ったホテル。そこで偶然主任に会った。そしてその時枚田さんも見かけた。それは偶然じゃなかったようだ。
「やった! 創、大好きっ!」
そう言って枚田さんは主任に抱きついている。今、主任かどんな表情をしているかは見えない。でも、抱きつかれて、嫌がる素振りは見せていなかった。
なんだ……。主任、彼女いたんだ……
ノブを握った手は、なぜか震えていた。
そう言えば主任、遅いな……
私達がしばらくおしゃべりしていた間も帰って来ていない。何かあったのかなぁ? とぼんやり考えながらスマホの画面を見ると、ここに来てからもう1時間以上経っていた。
そろそろお暇したほうがいいかも、と思いながら扉に手をかけそっと開けると、その隙間から見える先に人影が見えた。
「突然ごめんね。創がいると思ってなかったけど」
そんな会話が聞こえてきて、私は扉をそれ以上開けられず立ち止まる。
「なんだ、知らずにきたのか」
そう答えたのは主任で、その主任に話しかけているのは女性だ。
私はダメだと思いながらも、つい気になりその隙間から廊下をそっと覗き見た。
見えたのは主任の背中と、主任に向き合う背の高い綺麗な人。どこかで……と思う間もなく思い出した。
バレーの! 枚田澪さん!
思わず声を出しそうになり、自分の口を自分で塞ぐ。
「で、いいでしょ? 今日」
「……わかったよ」
前にいっちゃんと行ったホテル。そこで偶然主任に会った。そしてその時枚田さんも見かけた。それは偶然じゃなかったようだ。
「やった! 創、大好きっ!」
そう言って枚田さんは主任に抱きついている。今、主任かどんな表情をしているかは見えない。でも、抱きつかれて、嫌がる素振りは見せていなかった。
なんだ……。主任、彼女いたんだ……
ノブを握った手は、なぜか震えていた。