貧乏大家族の私が御曹司と偽装結婚⁈
そのまま自分の部屋に飛び込むと、私はテレビの前にある小さなピンク色のカウチソファにダイブした。
言っちゃった……。この婚約ごっこも終わりだな……
たったの1ヵ月ほどのことなのに、凄く長い時間に感じた。その間、創ちゃんの顔を見ない日なんてなかった。職場ではいつも難しい顔をしているのに、私が困っているのに気づくと『どうした?』って少し笑みを浮かべて尋ねてくれた。休みの日には、いつも私の手を離さず隣にいてくれた。
私……いつの間に、こんなに好きになっちゃってたんだろう?
ようやく自分の思いに気づいてしまった。今更。
最初はとっつきにくくて怖い人だと思ってた。何考えてるのかはいまだにわからないけど、でも本当は、人の見えないところで努力しているような人。それに、とても優しくて温かい。私にとってはそんな人だ。
「ずっと……あの手を握ってたかったな……」
自分から離すことを選んだ。でも、いつかは離さなきゃいけないのなら、傷が浅いうちのほうがいい。
顔を埋めたクッションに、次々と水玉模様が浮き上がっていくのを眺めながら私は思っていた。
言っちゃった……。この婚約ごっこも終わりだな……
たったの1ヵ月ほどのことなのに、凄く長い時間に感じた。その間、創ちゃんの顔を見ない日なんてなかった。職場ではいつも難しい顔をしているのに、私が困っているのに気づくと『どうした?』って少し笑みを浮かべて尋ねてくれた。休みの日には、いつも私の手を離さず隣にいてくれた。
私……いつの間に、こんなに好きになっちゃってたんだろう?
ようやく自分の思いに気づいてしまった。今更。
最初はとっつきにくくて怖い人だと思ってた。何考えてるのかはいまだにわからないけど、でも本当は、人の見えないところで努力しているような人。それに、とても優しくて温かい。私にとってはそんな人だ。
「ずっと……あの手を握ってたかったな……」
自分から離すことを選んだ。でも、いつかは離さなきゃいけないのなら、傷が浅いうちのほうがいい。
顔を埋めたクッションに、次々と水玉模様が浮き上がっていくのを眺めながら私は思っていた。