貧乏大家族の私が御曹司と偽装結婚⁈
修羅場という言葉が似合いそうな状況にあたふたする私と睨み合う2人。それを鎮めたのはトレーを持ってやって来た澪さんだ。
「あなたたち、いい加減にしなさいよ! 与織子ちゃん、びっくりしてるじゃない。ねぇ?」
最初だけ語気を強め、私には優しい口調でそう言った澪さんは、私に具沢山の野菜スープの入った皿の乗るトレーを差し出した。
「ありがとうございます」
私がそれを受け取ると、渋々いっちゃんもソファに腰掛けた。
鶴さんメニューの中でも私が5本の指に入れたいこのスープ。コンソメベースで、とにかく野菜がたくさん入っている。ちゃんと旬を取り入れていて、素材の味をいかすってこう言うことなんだなぁと感心してしまう。
「美味しいです」
少し口にして私がそう言うと、澪さんは「良かった」とニコニコしている。
それにしても……この状況。どうしたらいいんだろう? と私は視線を泳がせる。
3人掛けのソファに私と創ちゃん。ここから見て右側にある1人掛けのソファには澪さん。そしてその向かいの1人掛けにはいっちゃん。
創ちゃんといっちゃんは目も合わさず、それぞれが明後日の方向を眺めていた。
「あなたたち、いい加減にしなさいよ! 与織子ちゃん、びっくりしてるじゃない。ねぇ?」
最初だけ語気を強め、私には優しい口調でそう言った澪さんは、私に具沢山の野菜スープの入った皿の乗るトレーを差し出した。
「ありがとうございます」
私がそれを受け取ると、渋々いっちゃんもソファに腰掛けた。
鶴さんメニューの中でも私が5本の指に入れたいこのスープ。コンソメベースで、とにかく野菜がたくさん入っている。ちゃんと旬を取り入れていて、素材の味をいかすってこう言うことなんだなぁと感心してしまう。
「美味しいです」
少し口にして私がそう言うと、澪さんは「良かった」とニコニコしている。
それにしても……この状況。どうしたらいいんだろう? と私は視線を泳がせる。
3人掛けのソファに私と創ちゃん。ここから見て右側にある1人掛けのソファには澪さん。そしてその向かいの1人掛けにはいっちゃん。
創ちゃんといっちゃんは目も合わさず、それぞれが明後日の方向を眺めていた。