貧乏大家族の私が御曹司と偽装結婚⁈
「聞きたいこと、あるんじゃないのか?」
表情は見えないけど、その声色は楽しげだ。絶対に私を見て楽しんでいるに違いない。
「創ちゃんは……本当に私が初恋の人なの?」
冷静に……なれてないけど、考え直してみても、あんな大昔の出会いが初恋だなんて思えない。
「まだ信用してないのか?」
「だって! 私、あのとき小学生になってなかったし、創ちゃんはもう中学生だったんだよ?」
思わず振り向いてそう言うと、至近距離に創ちゃんの顔があって思いっきり目があってしまう。それだけで、私の顔は蒸気が出そうなほど熱を帯びていく。
そんな私の、可愛くはないだろう顔を見て創ちゃんは笑みを浮かべた。
「思い返せば初恋だったのかも、って自覚したのは結構最近だ」
「え? そうなの?」
目を丸くしている私を余所に、創ちゃんはフッと息を漏らして笑うと私を抱き寄せた。
右手は繋がれたまま、左側からそっと抱き寄せられ、創ちゃんの広い胸に収められる。薄いシャツ越しに伝わるのは、創ちゃんの体温と心臓の鼓動。トクトクと、早鐘のようなその音に耳を澄ませながら、もしかして同じように緊張しているのかも知れないな、なんて思った。
表情は見えないけど、その声色は楽しげだ。絶対に私を見て楽しんでいるに違いない。
「創ちゃんは……本当に私が初恋の人なの?」
冷静に……なれてないけど、考え直してみても、あんな大昔の出会いが初恋だなんて思えない。
「まだ信用してないのか?」
「だって! 私、あのとき小学生になってなかったし、創ちゃんはもう中学生だったんだよ?」
思わず振り向いてそう言うと、至近距離に創ちゃんの顔があって思いっきり目があってしまう。それだけで、私の顔は蒸気が出そうなほど熱を帯びていく。
そんな私の、可愛くはないだろう顔を見て創ちゃんは笑みを浮かべた。
「思い返せば初恋だったのかも、って自覚したのは結構最近だ」
「え? そうなの?」
目を丸くしている私を余所に、創ちゃんはフッと息を漏らして笑うと私を抱き寄せた。
右手は繋がれたまま、左側からそっと抱き寄せられ、創ちゃんの広い胸に収められる。薄いシャツ越しに伝わるのは、創ちゃんの体温と心臓の鼓動。トクトクと、早鐘のようなその音に耳を澄ませながら、もしかして同じように緊張しているのかも知れないな、なんて思った。