貧乏大家族の私が御曹司と偽装結婚⁈
7月最初の木曜日。
昨日までに月初の発送作業は終わらせていたその日。朝早くに創ちゃんから、『今日は一緒に出社できない』とメッセージが届いていた。
創ちゃんとは、変わらずほぼ毎日一緒に通勤していた。ただ、時々仕事の都合などで一緒に行けない日もあって、今日もそうなんだと気にも留めていなかった。
けれど……
「あれ?」
私は出社後、自席ではなくその左隣を見て思わずそう呟いてしまう。
そこは創ちゃんの席。いつもなら、私が出社したときには、席に姿がなくても、いた気配だけは残っている。仕掛けの書類、無造作に置かれた文房具、つけっぱなしのパソコン。
なのに、今日は帰る前のように、いや、昨日帰る前の状態のままだ。
「おはよう。朝木さん!」
呆然と立ったままの私の元に、人畜無害な笑顔でやって来たのは鈴木課長だ。
清田さんが『課長って、良く言うと人当たりはよさそうだけど、悪く言うと頼りないのよねぇ』とぼやいていたのは聞いたことがある。確かに、課長はいまいち仕事ができる人なのか、そうじゃないのか掴めない。困ったことがあるとすぐ創ちゃんに相談している姿なら何度も見たことはあるが。
昨日までに月初の発送作業は終わらせていたその日。朝早くに創ちゃんから、『今日は一緒に出社できない』とメッセージが届いていた。
創ちゃんとは、変わらずほぼ毎日一緒に通勤していた。ただ、時々仕事の都合などで一緒に行けない日もあって、今日もそうなんだと気にも留めていなかった。
けれど……
「あれ?」
私は出社後、自席ではなくその左隣を見て思わずそう呟いてしまう。
そこは創ちゃんの席。いつもなら、私が出社したときには、席に姿がなくても、いた気配だけは残っている。仕掛けの書類、無造作に置かれた文房具、つけっぱなしのパソコン。
なのに、今日は帰る前のように、いや、昨日帰る前の状態のままだ。
「おはよう。朝木さん!」
呆然と立ったままの私の元に、人畜無害な笑顔でやって来たのは鈴木課長だ。
清田さんが『課長って、良く言うと人当たりはよさそうだけど、悪く言うと頼りないのよねぇ』とぼやいていたのは聞いたことがある。確かに、課長はいまいち仕事ができる人なのか、そうじゃないのか掴めない。困ったことがあるとすぐ創ちゃんに相談している姿なら何度も見たことはあるが。