貧乏大家族の私が御曹司と偽装結婚⁈
「あ。与織子ちゃん、こっち!」
パーティーの開かれる都内の格式高いホテル。その控室となっている部屋の前で手を振ってくれたのは澪さんだ。まだパーティー用のドレスではなく、黒のセットアップパンツ姿だ。
「こんにちは。澪さん」
「澪さん。今日はよろしくお願いします」
「よっ! お嬢。お疲れ!」
口々にそう言ったのは、私、みー君、ふう君だ。
澪さんと、ふう君、みー君は、やっぱり前から顔見知りだった。ふう君なんて、自分の職場の社長令嬢である澪さんを、『お嬢』なんて言って揶揄うほどだ。
「与織子ちゃん。先にご飯を食べてから着替えましょうか」
「はい。お任せします」
今日のパーティーは社内だけでなく、取引先、関係者など3000人近い規模になるらしい。グループ会社に勤める私たちだけど、招待されたのは関係者枠。それも、家族全員、だ。
同じく関係者として招待されていた澪さんから、パーティーの前に一緒に食事をしましょうと誘われたのは結構前。そのときはもちろん、創ちゃんも、いっちゃんも、一緒のつもりだった。けれど、この場に2人の姿はない。創ちゃんとはまだ連絡が取れていないし、いっちゃんは時を同じくして家に帰っていない。
パーティーの開かれる都内の格式高いホテル。その控室となっている部屋の前で手を振ってくれたのは澪さんだ。まだパーティー用のドレスではなく、黒のセットアップパンツ姿だ。
「こんにちは。澪さん」
「澪さん。今日はよろしくお願いします」
「よっ! お嬢。お疲れ!」
口々にそう言ったのは、私、みー君、ふう君だ。
澪さんと、ふう君、みー君は、やっぱり前から顔見知りだった。ふう君なんて、自分の職場の社長令嬢である澪さんを、『お嬢』なんて言って揶揄うほどだ。
「与織子ちゃん。先にご飯を食べてから着替えましょうか」
「はい。お任せします」
今日のパーティーは社内だけでなく、取引先、関係者など3000人近い規模になるらしい。グループ会社に勤める私たちだけど、招待されたのは関係者枠。それも、家族全員、だ。
同じく関係者として招待されていた澪さんから、パーティーの前に一緒に食事をしましょうと誘われたのは結構前。そのときはもちろん、創ちゃんも、いっちゃんも、一緒のつもりだった。けれど、この場に2人の姿はない。創ちゃんとはまだ連絡が取れていないし、いっちゃんは時を同じくして家に帰っていない。