貧乏大家族の私が御曹司と偽装結婚⁈
けれどみんな、何事もないかのように普通だ。きっと、詳しくは知らなくても、何かあったのはわかっているはずなのに。
でも、何も言われないのはいいことなのかも知れない。みんな、きっと、それぞれが、2人を信じているのだと思うから。
4人だけで和気藹々とランチをしたあと、また控室に戻ってきた。
この控室は、関係者の中でも、特に創業者に近しいもののために用意されていると聞いている。
澪さんが扉の脇に立つスタッフさんに声をかけると、恭しくお辞儀をしたあと扉を開けてくれた。
「さ、入りましょう?」
澪さんに続き私たちが入ると、そう広くはない部屋の奥から声が飛んできた。
「「与織姉っ!」」
制服姿の弟たちは、子犬のように一斉に私の元に駆けてきた。
「もう! いっくんはともかく、りっちゃんまで。お行儀よくしなさい?」
「お。久々に見るな。与織のお姉ちゃん仕様」
「ふう君、茶化さないでよ!」
「そうだよ颯兄!」
「逸君、理久君、なんかまた大きくなった? 僕、もう身長抜かされたかなぁ?」
「実樹兄はたぶん越した! そのうち颯兄も追い越す!」
「逸希はウドの大木にならないよう勉強に励んだほうがいいと思うけどね」
そんなことを言いながら、笑い合う。私は、兄弟たちの変わらない姿に、ただただ安心していた。
でも、何も言われないのはいいことなのかも知れない。みんな、きっと、それぞれが、2人を信じているのだと思うから。
4人だけで和気藹々とランチをしたあと、また控室に戻ってきた。
この控室は、関係者の中でも、特に創業者に近しいもののために用意されていると聞いている。
澪さんが扉の脇に立つスタッフさんに声をかけると、恭しくお辞儀をしたあと扉を開けてくれた。
「さ、入りましょう?」
澪さんに続き私たちが入ると、そう広くはない部屋の奥から声が飛んできた。
「「与織姉っ!」」
制服姿の弟たちは、子犬のように一斉に私の元に駆けてきた。
「もう! いっくんはともかく、りっちゃんまで。お行儀よくしなさい?」
「お。久々に見るな。与織のお姉ちゃん仕様」
「ふう君、茶化さないでよ!」
「そうだよ颯兄!」
「逸君、理久君、なんかまた大きくなった? 僕、もう身長抜かされたかなぁ?」
「実樹兄はたぶん越した! そのうち颯兄も追い越す!」
「逸希はウドの大木にならないよう勉強に励んだほうがいいと思うけどね」
そんなことを言いながら、笑い合う。私は、兄弟たちの変わらない姿に、ただただ安心していた。