貧乏大家族の私が御曹司と偽装結婚⁈
なんとなく連休前で感覚が狂っていたのかも知れない。いっちゃんからお見合いの日程を聞かされたのは2週間ほど前だ。
『連休の初日の昼間な』と言われていたのをすっかり忘れていた。そしてその日が明日だと言うことを。
その時は、まさか前日のこんな時間まで残業することになるなんて思ってなかった。いくら『俺も着いて行くし、気軽に会うだけでいいから。前食べたがってたアフタヌーンティーセット予約してあるぞ』といっちゃんに言われ、お見合いよりそっちを楽しみにしてたとはいえ、今となってはちょっと面倒くさい……。
お手洗いを済ませて、溜め息を吐きつつまた席に戻ると、主任はスマホの画面に目を落としていた。そして、私が帰って来た気配を察したのか顔を上げた。
「朝木。そろそろ帰るぞ。用意しろ」
「はい。じゃあさっきのはOKってことで……」
ミスのないよう気をつけたつもりだけど、人間なんだから誰だってミスをする。私は恐る恐る主任に尋ねると、なんだか不機嫌そうに「あぁ」と答えた。
やっぱり主任のことはよくわからない。元々そんなに自分のことを話す人でもないし、いまいち何を考えているのか理解できない。けど、この短時間のうちに不機嫌になってしまったのは、私のせいじゃない……と思いたい。
『連休の初日の昼間な』と言われていたのをすっかり忘れていた。そしてその日が明日だと言うことを。
その時は、まさか前日のこんな時間まで残業することになるなんて思ってなかった。いくら『俺も着いて行くし、気軽に会うだけでいいから。前食べたがってたアフタヌーンティーセット予約してあるぞ』といっちゃんに言われ、お見合いよりそっちを楽しみにしてたとはいえ、今となってはちょっと面倒くさい……。
お手洗いを済ませて、溜め息を吐きつつまた席に戻ると、主任はスマホの画面に目を落としていた。そして、私が帰って来た気配を察したのか顔を上げた。
「朝木。そろそろ帰るぞ。用意しろ」
「はい。じゃあさっきのはOKってことで……」
ミスのないよう気をつけたつもりだけど、人間なんだから誰だってミスをする。私は恐る恐る主任に尋ねると、なんだか不機嫌そうに「あぁ」と答えた。
やっぱり主任のことはよくわからない。元々そんなに自分のことを話す人でもないし、いまいち何を考えているのか理解できない。けど、この短時間のうちに不機嫌になってしまったのは、私のせいじゃない……と思いたい。