貧乏大家族の私が御曹司と偽装結婚⁈
「いっちゃん? こっちって?」
ようやくいっちゃんは私のほうを見ると、表現を少し緩める。
「今日本当なら会うはずだったほう。キャンセルしてきたのは向こうだが、早めに次の予定考えたほうがいいな」
「なんでそうなるのかわかんないよ! って、いっちゃんはその本当のお見合い相手知ってるんだよね。どんな人なの?」
私の質問にいっちゃんがしばらく黙っている間、隣の席の会話が私の耳に飛び込んできた。
「ねぇねぇあの人! あの、ほら、誰だっけ?」
そう言って一人が向こうを指さすのが不意に目に入り、私もそちらのほうを向いてしまう。
向こう側にいたのは、背の高い女の人。170センチはゆうに超えていると思う。ショートカットの似合う、お姉様と呼びたくなるような綺麗な人が歩いていた。
「ほら、あの人よ、バレーの!」
隣からは少し年配の女性達が、名前が出てこないのかそんなことを言いあっていた。
私も、なんか見たことあるなぁ、とは思うけど、バレーには詳しくないから正直分からない。そして、出口に行くのか、その人は通路をこちらに向かって歩いてきた。不躾だな、と思う間もなく私はその顔を口を開けたまま見上げていた。そして、歩いてきたその人とバチッと目があうと、何故かニッコリ微笑まれてしまった。
わっ! ビックリした!
私のことファンの一人だと思ってサービスのつもりだったのだろうか。
隣では「思い出した! ミオ様よ! 何年か前に引退した、バレーボール選手の」と一人が言い出し「あぁ!」なんて声が聞こえていた。
ようやくいっちゃんは私のほうを見ると、表現を少し緩める。
「今日本当なら会うはずだったほう。キャンセルしてきたのは向こうだが、早めに次の予定考えたほうがいいな」
「なんでそうなるのかわかんないよ! って、いっちゃんはその本当のお見合い相手知ってるんだよね。どんな人なの?」
私の質問にいっちゃんがしばらく黙っている間、隣の席の会話が私の耳に飛び込んできた。
「ねぇねぇあの人! あの、ほら、誰だっけ?」
そう言って一人が向こうを指さすのが不意に目に入り、私もそちらのほうを向いてしまう。
向こう側にいたのは、背の高い女の人。170センチはゆうに超えていると思う。ショートカットの似合う、お姉様と呼びたくなるような綺麗な人が歩いていた。
「ほら、あの人よ、バレーの!」
隣からは少し年配の女性達が、名前が出てこないのかそんなことを言いあっていた。
私も、なんか見たことあるなぁ、とは思うけど、バレーには詳しくないから正直分からない。そして、出口に行くのか、その人は通路をこちらに向かって歩いてきた。不躾だな、と思う間もなく私はその顔を口を開けたまま見上げていた。そして、歩いてきたその人とバチッと目があうと、何故かニッコリ微笑まれてしまった。
わっ! ビックリした!
私のことファンの一人だと思ってサービスのつもりだったのだろうか。
隣では「思い出した! ミオ様よ! 何年か前に引退した、バレーボール選手の」と一人が言い出し「あぁ!」なんて声が聞こえていた。