貧乏大家族の私が御曹司と偽装結婚⁈
「えっと、食べよう! うん」
自分に言い聞かせるように声を上げて席に座ると、私はワザとらしく皿を手にいっちゃんに尋ねる。
「いっちゃんはどれにする?」
まだ立ったままのいっちゃんはそれを聞いて「はーっ」息を吐きながら椅子にどかっと座った。
「先に与織子が好きなの食え」
そう言うと、いっちゃんはスマホの画面をチラ見してから手にした。
「悪い。ちょっと呼び出し。外に出てくる」
「え。うん、いってらっしゃい」
いっちゃんは慌ただしくスマホだけ手に持つと、さっさと出口に向かって行ってしまった。
それにしても……。主任はやっぱりイケメンだったんだな、とさっき見た姿を思い出す。普段とあまりに違うから驚いたけど。けど、社内の女性社員に騒がれたりしてないのは、やっぱりお世辞にも愛想がいいとは言えない性格だからだろうか。
そんなことを思いながら、私は一口サイズの苺のショートケーキを口に運んだ。
自分に言い聞かせるように声を上げて席に座ると、私はワザとらしく皿を手にいっちゃんに尋ねる。
「いっちゃんはどれにする?」
まだ立ったままのいっちゃんはそれを聞いて「はーっ」息を吐きながら椅子にどかっと座った。
「先に与織子が好きなの食え」
そう言うと、いっちゃんはスマホの画面をチラ見してから手にした。
「悪い。ちょっと呼び出し。外に出てくる」
「え。うん、いってらっしゃい」
いっちゃんは慌ただしくスマホだけ手に持つと、さっさと出口に向かって行ってしまった。
それにしても……。主任はやっぱりイケメンだったんだな、とさっき見た姿を思い出す。普段とあまりに違うから驚いたけど。けど、社内の女性社員に騒がれたりしてないのは、やっぱりお世辞にも愛想がいいとは言えない性格だからだろうか。
そんなことを思いながら、私は一口サイズの苺のショートケーキを口に運んだ。