青い星を君に捧げる【弐】
「議題は火天との抗争についてですが、同盟・傘下が青龍側の加勢をするかどうかです」
杏里が司会進行を務め、それぞれの総長とその後ろに控えるおそらく副総長が渋い表情をする。そんな中……
「黒龍は青龍を手伝う」「青蝶もなぁ!!」
鳴海さんと真希さんは先陣を切って宣言する。しかしそれ以降は静寂に包まれる。
昨日リストを見せてもらったし、ここにいる顔を見る限り傘下は置いておいて、同盟はあと数個あるはずなのに。
「俺たちも手を貸そう」
名乗りを挙げたのは紫色の髪に青のメッシュが入った男。どこの誰だろう…。
「傘下の乱気流、総長一条です。コソッ」
後ろに控えていた彼方が耳打ちしてくれた。一条は立ち上がって私の方に近づいてくる。
「ここらで姫さんに恩を売っておくのも悪くない」
「それ以上は近づかないでください」
後ろに控えていた彼方と剣斗くんが一条の前に立ち塞がった。二人よりも背の高い一条は彼らを見下す。
「俺とお前らどちらの方が格上かわかってるのか?」
一条は腰を折って彼方に顔を近づける。その表情は私達にしか見えてないからって、悪名高いものだ。
「総長、お遊びはそこまでにしておいてください」
一条の後ろにずっと座っていた、おそらく乱気流の副総長が言った。
「命拾いしたなぁ!おチビちゃん?」
大口を開けて笑いながら席に戻っていく一条の背中を剣斗くんが睨みつける。今にも飛びかかりそうな彼を彼方が肩を押さえて制した。
「それでは、火天との抗争に協力してくれるのは黒龍・青蝶・乱気流ということで。後ほど3族には連絡します。…これで終わりですが総長、何かありますか?」
話を締めようとした杏里が慎に話を振る。座って目を閉じていた慎がゆっくりと瞼を上げた。
「……おそらくお前らが1番気になっていること。青龍副総長のことだ」
本来慎の後ろに立っているはずの湊がいないことには誰もが気づいていた。だが、誰もその話には触れてこなかった。
「副総長の枠は青龍内の話し合いで空席のままにすることになった」
「副総長はなんでいなくなったんだ?裏切りか、それとも目前の戦いに臆した弱虫だったのか」
一条が片手を上げて慎を煽るように質問した。慎の雰囲気が一気に重たく鋭くなる。
「あいつに守るべきものが増えた、それだけだ。副総長は…あいつは絶対に戻ってくる!!」
慎は握り拳をさらに握り、手のひらに爪が刺さって血が滲んでいた。彼は湊をずっと信じてる。殴られて、真実を話してもらえなかったとしても、湊が必ず戻ってきてくれると。
杏里が司会進行を務め、それぞれの総長とその後ろに控えるおそらく副総長が渋い表情をする。そんな中……
「黒龍は青龍を手伝う」「青蝶もなぁ!!」
鳴海さんと真希さんは先陣を切って宣言する。しかしそれ以降は静寂に包まれる。
昨日リストを見せてもらったし、ここにいる顔を見る限り傘下は置いておいて、同盟はあと数個あるはずなのに。
「俺たちも手を貸そう」
名乗りを挙げたのは紫色の髪に青のメッシュが入った男。どこの誰だろう…。
「傘下の乱気流、総長一条です。コソッ」
後ろに控えていた彼方が耳打ちしてくれた。一条は立ち上がって私の方に近づいてくる。
「ここらで姫さんに恩を売っておくのも悪くない」
「それ以上は近づかないでください」
後ろに控えていた彼方と剣斗くんが一条の前に立ち塞がった。二人よりも背の高い一条は彼らを見下す。
「俺とお前らどちらの方が格上かわかってるのか?」
一条は腰を折って彼方に顔を近づける。その表情は私達にしか見えてないからって、悪名高いものだ。
「総長、お遊びはそこまでにしておいてください」
一条の後ろにずっと座っていた、おそらく乱気流の副総長が言った。
「命拾いしたなぁ!おチビちゃん?」
大口を開けて笑いながら席に戻っていく一条の背中を剣斗くんが睨みつける。今にも飛びかかりそうな彼を彼方が肩を押さえて制した。
「それでは、火天との抗争に協力してくれるのは黒龍・青蝶・乱気流ということで。後ほど3族には連絡します。…これで終わりですが総長、何かありますか?」
話を締めようとした杏里が慎に話を振る。座って目を閉じていた慎がゆっくりと瞼を上げた。
「……おそらくお前らが1番気になっていること。青龍副総長のことだ」
本来慎の後ろに立っているはずの湊がいないことには誰もが気づいていた。だが、誰もその話には触れてこなかった。
「副総長の枠は青龍内の話し合いで空席のままにすることになった」
「副総長はなんでいなくなったんだ?裏切りか、それとも目前の戦いに臆した弱虫だったのか」
一条が片手を上げて慎を煽るように質問した。慎の雰囲気が一気に重たく鋭くなる。
「あいつに守るべきものが増えた、それだけだ。副総長は…あいつは絶対に戻ってくる!!」
慎は握り拳をさらに握り、手のひらに爪が刺さって血が滲んでいた。彼は湊をずっと信じてる。殴られて、真実を話してもらえなかったとしても、湊が必ず戻ってきてくれると。