青い星を君に捧げる【弐】
「当主の言動が今昔で違いすぎている。……どうするつもりだ、ハル」


肩に置いた手はそのままに私の顔を覗き込むように聡太郎は身を屈める。


「……ちゃんと、向き合えってお達しなのかもね。佑真からの」


「佑真って」


「とりあえず日本に帰って私がやるべきことが決まったよ」


ようやく心が決まった。


当主様と、父親と向き合って話してみよう。妹の波瑠と腹を割って話そう。私たち家族のぐちゃぐちゃになった糸を解く時が訪れたのかもしれない。


この件が片付いたら、また会いに行ってもいいかな……佑真。


今どうしようもないくらい体が寒いんだ。あなたの熱が恋しい。


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空港に着いた一行は搭乗時間を待つのみであった。各々好きなように時間を過ごす中、私の名前を呼ぶ声が聞こえた。


「____波瑠!!よかった間に合った!!」


「っと、リンファ。まさか見送りに来てくれるなんて」


飛びついてきた彼女を受け止めたはいいものの、思った以上に力が強くて後ろへと傾いた体を慎が支えてくれる。ありがと、と口パクすると背中から手が離れた。


「会いに行くに決まってるよ!!次いつ会えるかわからないんだよ」
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